Research


 

■ 研究の概要 ■

 本研究室では、砂、粘土、岩あるいはガスハイドレート等の自然材料や人工補強材による改良土等を含むジオマテリアル全般の力学挙動について、実験を通した構成モデルの開発、さらにそれを組み込んだ地盤の変形と破壊の数値シミュレーションをおこなっています。具体的には、
  • 豪雨による河川水位上昇に伴う堤防の浸透・変形・破壊の問題
  • 砂地盤の液状化およびハザードマップの作成
  • せん断帯や圧縮帯による変形の局所化が絡む大変形−破壊の問題
  • 圧力・温度・間隙物質の相変化の影響が複雑に絡み合うメタンハイドレート地層の変形問題
  • 大深度地下空間開発

など、本研究室で扱うテーマは多岐にわたります。

 

 1. ジオマテリアルの力学特性の把握と構成モデルの開発

 本研究室では、予測が難しい非線形性に富んだジオマテリアルの構成モデルを、力学的、水理学的あるいは熱的にも合理的に構築することを目的に研究をしています。具体的には、様々な荷重条件下でおこなう要素試験を通して、時間依存性挙動、内部の微視的構造の変化、異方性等の自然堆積地盤の特性を把握してモデル化を試みるとともに、上記の変形の局所化を含む破壊予測解析にも十分適用できる、ひずみ勾配依存性、材料不安定性、熱依存性挙動も考慮した弾粘塑性構成式の開発をおこなっています。
 また、液状化のシミュレーションにあたっては、地震を模擬する繰返し載荷条件での砂や粘土の挙動を精密に表現する必要があり、また、液状化対策のために水ガラス等の人工安定材で補強された砂の繰返し載荷時の表現も耐震設計には重要となります。そのため、各種ジオマテリアルの繰返し挙動を説明する構成モデルの開発にも取りくんでいます。

 

図. 様々な荷重条件での載荷が可能な中空ねじりせん断試験機

 

2. 大変形・破壊現象の高精度予測手法の開発

 近年、台風・豪雨、地震による山地斜面崩壊や河川堤防の破提など激甚災害が多発し、我が国土の地盤災害に対する脆弱性が改めて認識されています。このような地滑り、斜面崩壊等の地盤の破壊現象は、すべり面やせん断帯と呼ばれるひずみの集中帯(局所化)や変位の不連続面の発生を伴います。また、局所化した圧縮変形(圧縮帯)が原因で地盤が大沈下する問題も生じています。現在、水と地盤材料の相互作用に関わる力学現象については十分解明されておらず、メカニズムに基づく変形予測手法の開発が緊急の課題となっています。

 本研究室では、多相混合体理論に基づいた浸透-変形連成解析による、土と水および空気の相互作用を考慮した変形予測手法の確立を目指しています。具体的には、3次元条件下での変形の局所化を伴う複雑な破壊現象を精密に観察するため、砂・粘土・軟岩用いた三軸試験を実施し、画像解析法により破壊に至るまでの様子を観察しています。また、実地盤の大規模破壊現象のシミュレーションを目指して、高精度な浸透-変形連成解析手法の開発に取り組んでいます。

図. 台風23号による円山川堤防の破堤と浸透-変形連成解析によるひずみ分布

 

 . 角柱三軸試験の三次元有限要素解析によるシミュレーション

 

 3. 高性能液状化解析法の開発と液状化ハザードマップの作成

 土骨格と間隙水の二相系の運動方程式を解く有効応力ベースの動的有限要素法による液状化解析法を用い、液状化時の地盤−構造物系の相互作用、液状化した地盤の大変形や土と水の相対速度等を高精度に考慮できる高性能液状化シミュレーション手法の開発に取り組んでいます。 また、実験やシミュレーションを通して、薬液浸透注入改良等の合理的な液状化対策工法の検討もおこなっております。また、広域地盤情報データベースを活用し、液状化危険度を評価するハザードマップの作成にも取り組んでいます。

 

図. 杭基礎構造物の地震時挙動に関する3次元解析

 

 4. メタンハイドレートを内包する地盤の強度変形特性の把握

 次世代新エネルギーとして、メタンハイドレートが注目されております。メタンハイドレートは日本近海にも眠っていることが確認されており、安定供給できるようになれば純国産エネルギー資源となることも大いに期待できます。しかしながら、発掘作業は未知の部分が多く、メタンハイドレートを取り出すことにより、その地層の圧縮大沈下、深海部での海底地滑り、あるいはメタンガスの大 放出などの心配もされております。
 本研究室では、メタンハイドレートを合理的に取り出し、かつその地盤を将来に渡り安全に維持するための技術開発を目指して、ハイドレートの物性評価および力学特性の評価をおこなうことにより、ハイドレートを内包する地盤系の力学的、水理学的かつ熱的安定性の予測手法を確立するための研究をおこなっています。

 

図.メタンハイドレート開発状況

 5. ジオマテリアル内部の微視構造および密度変化の可視化 new !

 医療の分野で広く用いられてきたX線CT装置が、近年地盤工学の分野にも適用されてきています。X線CT装置は、材料内部の密度分布を得る 装置で、通常の計測では把握するのが困難な変形、破壊、浸透の過程で材料内部の挙動を可視化する事ができます。特に本研究室ではマイクロフォーカスX線CT装置を導入しており、微小な焦点サイズによりミクロン単位の高分解能での可視化が可能です。材料の持つ不均質性、せん断帯・圧縮帯の発達、不飽和地盤への浸透過程、粒子同士が形成する微視構造の変化、などを可視化すると共に、マクロな力学モデルへの反映を目指しています。
 また、走査電子顕微鏡(SEM)による供試体表面の微視構造の可視化を行っています。SEMは、ナノ単位の高分解能を持ち、粘土鉱物など非常に細かい粒子の微視構造変化を研究しています。

 

図.マイクロフォーカスX線CT装置

 

図.マイクロフォーカスX線CT装置によるジオマテリアル内部の可視化

 

 

■ 災害調査  ■

調査年月

 災害  調査員

2009年11月

 能登半島地震 道路被害 new!  岡二三生・木元小百合・肥後陽介

2008年 6月

 岩手・宮城内陸地震   岡二三生・木元小百合・肥後陽介・立石章(大成建設(株)技術センター)・加藤亮輔((株)日建設計シビル)

2007年 7月

 新潟県中越沖地震  岡二三生・角南進*・肥後陽介・加藤亮輔**(株)日建設計シビル)

2005年 3月      

 福岡西方沖地震  岡二三生・木元小百合

2004年11月         

 新潟中越地震  岡二三生・角南進((株)日建設計)・木元小百合・山崎順弘
   新潟中越地震  小高猛司・中野正樹(名古屋大学)

2004年10月

 台風23号円山川・出石川破堤  小高猛司

2004年 7月

 福井豪雨  小高猛司

2000年10月 

 鳥取県西部地震  岡二三生・岡研究室学生

 

■ 実験装置 ■

実験装置の紹介

実験設備紹介(PDFファイル)